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研究者を志す皆さんへ

研究者(大学教員や研究所の研究者)として生きていくことを目指し,それを実現するためには,大学院の修士・博士課程の期間に,将来にわたるロードマップ(いつまでに何を学び,何を成し,将来はどのような研究を展開したいか,の道筋)をよく考えながら,1年1年を過ごすことが重要だと思います。そして,「そのロードマップをスタートさせることできる研究室」 and/or 「自分の価値観に合う研究室」を選び,そこで大いに学ぶことが,実現に向けての第一歩だと思います。
以下に,ロードマップを考えるうえでの素材(我々が,考えていること,重視していること,指導していることなど)を載せました。研究室選びの,もしくは,ロードマップを考えるための,参考にして下さい。
 


研究計画の立案

研究計画を作るときには,以下の5つの事項に注意をして,ストーリーを作ると良いと思います。とくに,研究分野の求め(期待)に応えるようなストーリーを持つことが重要です。
 
1. 何を

  • 目的:  なぜ,それを研究したいのか? その結果,何が得られるのか?
  • 目標:  到達目標はどこか?
  • 課題:  その到達目標と現実に,どれくらいの差があるのか?

 
2. どうやって

  • アイデア:課題に対する自分の見解,解決へのアイデア
  • 対象:  試料は何か?
  • 方法:どんな方法,手法を使うのか?
  • 予想:  どういう結果が予想されるのか(シナリオA,B,C・・・)?

 
3. 質と量

  • どのくらい丁寧にやるのか? or どの程度まで,雑でも許されるのか?
  • どれくらいの労力・お金を使うのか?or 限られたキャパシティを,どのように使うのか?

 
4. スケジュール

  • いつまでに,実行すればよいのか?
  • いつ,どの学会で,口頭 or ポスター 発表するのか?
  • いつまでに論文をpublishしたいのか?
  • 何を示し,何を得るのか?
  • どれくらいの労力を使うのか?

 
5. 貢献度

  • これまでの問題点の解決や理解への寄与は何か?
  • この研究が,将来の研究に,何をもたらすか,どのように貢献できるか?

 
これらをもとに,ロジックのしっかりしたストーリーを作ること,そしてそれを,指導教員,共同研究者などからのアドバイスを取り入れて,「ぶれない格子」に brush upし,質を高めることが重要です。
 
※ 実験の結果が予定していたものでなかったとしても,その結果を丁寧に解析し,新たな知見を得ること,そして,当初予定していた計画を,得られた知見の重要性に応じて柔軟に変化させて研究に取り組むことが,常に必要とされます。