底面濾過水槽の自作
(底面濾過+降雨水槽)
基本的な製作手順は,「背面ろ過水槽」や「側面ろ過水槽」と同じでので,細かい部分はそちらを参照して下さい。ここでは,前面に扉のある水槽(31.0×30.4×33.0)の底面に濾過槽,背面にポンプ,上部に降雨用のパイプを設置した「両生類(カエル)用水槽」を作ります。
カエルなどの陸棲両生類(成体)は,一般的に,湿度を維持した環境で飼育する必要があり。また,床材が排泄物(アンモニア)で汚染されると,体表から吸収されて自家中毒を引き起こすため,定期的な土壌の洗浄や交換が必要になります。この水槽は,
- 定期的な降雨(乾燥対策と土壌の洗浄)
- 飼育環境水の浄化(濾過)
- 温度のコントロール
を備えた水槽で,頻繁な清掃をおこなわなくても(水浴用の容器の水替えと給餌のみで),カエル等の陸棲両生類(成体)を,長期間,飼育することができます。
定期的な降雨は,水槽内の湿度を上昇させ,同時に,床材の排泄物(尿)を洗い流します。背面のポンプ槽にヒーターを設置することで,水槽下部の濾過槽の温度を一定に保つことができます。
<準備するもの>
・ HYDRA case 3133 (31.0×30.4×33.0)
- アクリルカッター,接着剤(バスコーク),電動ドリル,マスキングテープ,アクリルを曲げるヒーター
- アクリル板
- シリコンチューブ
- 水槽用の濾過マット(多層式のもの)
- ヒーター,ポンプ(2個),カメ用の硝化菌のブロック
1. 大きなアクリル板から,
- ① 29.4 cm × 23.1 cm(ブラック)
- ② 29.4 cm × 4.0 cm(2個)
- ③ 29.4 cm × 4.5 cm
- ④ 29.4 cm × 5.0 cm
- ⑤ 5.0 cm × 5.5 cm(6個)
- ⑥ 5.0 cm × 5.3 cm(2個)
- ⑦ 16.0 cm × 30.0 cm
の板を切り出します。
2. ⑤,⑥を,中央部で90℃に曲げます。
①の下部2.8 cmを90℃曲げ,ドリルで右上2.0 cm × 2.0 cmと中央(上から19.0cm)に,シリコンチューブ用の穴をあけます。
3. ③,④の片側の角を少し削り,③を水槽の扉側から18.5cmの部分に,④を9.5cmの部分に設置し(角を削った側が下になります),接着材で固定します。
4. ②を,水槽の扉側から5.0cm,14.0cmの部分で,水槽の底から1cm上部に設置し,接着材で固定します。
⑤,①を,下の写真の様に設置し,接着材で固定します。
この際,⑥を①の土台に使います。
5. 接着材が乾くまで1週間〜10日間待ちます。その後,下の写真の様にろ過材を入れ,濾過マットで蓋をします。
このとき,濾過マット水槽の扉側に穴をあけ,シリコンチューブ(循環ポンプ用)の出口を接続します。
6. ⑦を,9cmの部分で90℃に曲げ,降雨用のシリコンチューブを設置します。シリコンチューブには,複数の穴(1mm)を開けておきます。
7. 床材(爬虫類・両生類用の粒土など)を入れ,⑦を設置します。
8. 完成です。降雨用のポンプと照明はタイマーでON/OFFを行うことで,任意の時間で雨を降らすことができます。
[Major Contents]
Welcome English / 日本語
People/メンバーの紹介
Research subjects/研究の概要
Seminar/研究室ゼミ
Prospective Students/学生募集
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[Others]
安定同位体比を用いた研究の基礎知識
海水魚とサンゴの飼育: 概要 と 注意点
水槽の説明と自作 と ギャラリー
コラム:研究者を志す皆さんへ
研究室の写真: Instagram と 写真ギャラリー