背面ろ過水槽の自作
(簡易オーバーフロー水槽)
ここでは,45cm(45×30×30)水槽をベースに,水槽の中央に仕切り板(パーティション)を入れた「背面濾過水槽」の自作方法を紹介します。
この水槽は,
- そこそこ強力な濾過能力がある
- コンパクトであり,設置場所を選ばない
- (オーバーフロー水槽に比べて)自作が簡単である
という3つのメリットに加え,パーティションにより左室・右室に仕切られていることから,
- 全く同じ飼育条件の「コントロール区」と「実験区」を設置できる
- 同種・近縁種で争いが絶えない個体を,全く同じ飼育条件で,かつ,別々に飼育できる
という特徴があり,当研究室では様々な研究で利用されています。
<準備するもの>
・45cm(45×30×30)水槽
・アクリルカッター,接着剤(バスコーク),電動ドリル(穴開け,やすり),マスキングテープ,アクリル板を曲げるヒーター,黒色の透明フィルム
・アクリル板 or 塩ビ板
<水槽の製作>
1. 大きなアクリル板から,適切な大きさの板を切り出します。
今回は,
①黒板, 43.5cm × 28.0cm
②白板, 17.3cm × 28.0cm
③白板, 11.0cm × 25.0cm
④白板, 11.0cm × 20.0cm
⑤白板, 8.0cm × 7.0cm
を作ります。
アクリルカッターで傷を付け,机の角などを利用して折ると,キレイに切り出すことができます。
2. ①板の右上,②板の上部・下部に水の通る穴を開けます。
穴を開ける位置をマークし,電動ドリルで穴を開けていきます。
3. 水槽の底面と側面の接着面にはシリコンゴムがついていますので,①板,②板,④板が底面・側面にピッタリと接地できるように, アクリル板の角を電動ヤスリで削ります。
角を削ったら,アクリル板のカバーシールを外します。
4. 仕切り板が完成しました。
5. 水槽底面がプラスチックの場合,接着剤がうまく働かず,しっかりとシールできないことがあります。そこで,電動ヤスリを使って,水槽底面の「仕切り板が接着する部分」に傷をつけます。
6. 完成した仕切り板を水槽内に設置し,マスキングテープで固定します。③板は水槽底面に接地しませんので,木片などを使って,適切な高さになるように固定します。また木片は,仕切り板を直角に設置するのに便利です。
7. 仕切り板の上下に,接着剤を少しだけつけ,仮止めします(1日乾燥させます)。
8. 接着剤をつける部分の枠を,マスキングテープで作ります。仕上がりをキレイにするというよりは,しっかりとシールするためです。
9. 接着剤をつけます。この作業は,接着剤が乾かないうちに,素早く行う必要があります。まず,適量の接着剤がつけ,次に,ヘラをつかい,接着面に隙間ができないように埋めていきます。その後,接着剤が乾かないうちに,マスキングテープを外します。
10. 一週間程度,乾燥します。
11. ⑤板を使い,①板のC室側につける水路を作ります。アクリルを曲げるヒーターは,非常に熱くなるので,火傷しないように気を付けて下さい。
12. 水槽本体が,1,2日乾燥したところで,水路を接着します。
13. 接着剤が乾燥したら,濾過層のガラス面(外側)に,黒色の透明フィルムを貼ります。これにより,外から濾過層の内部が見えなくなり,見栄えが良くなります。また,濾過層内で藻類が繁殖することを防ぎます。
背面:42.4cm × 26.2 cm
側面:10.5cm × 26.2 cm
フィルムの端をセロテープで固定し,木片などを使って貼り付けると,比較的キレイに貼ることができます。
14. 完成です。
[Major Contents]
Welcome English / 日本語
People/メンバーの紹介
Research subjects/研究の概要
Seminar/研究室ゼミ
Prospective Students/学生募集
Fee for Analysis/依頼分析
スポンサー/Sponsorship
[Others]
安定同位体比を用いた研究の基礎知識
海水魚とサンゴの飼育: 概要 と 注意点
水槽の説明と自作 と ギャラリー
コラム:研究者を志す皆さんへ
研究室の写真: Instagram と 写真ギャラリー