3.海氷を測る  係留観測から

 氷厚計の測定原理  

 海氷の密接度や漂流といった量は人工衛星で観測可能であるが、最も基本的な物理量である「海氷の厚さデータ」は、衛星の観測からでは正確な値を得ることが(将来とも)難しいものである。氷厚データに関しては、その平均的分布(気候値)さえもよくわかっていない状況にある。長期連続した客観性の高い海氷厚データを得るには、超音波氷厚計(Ice Profiling Sonar)を長期係留する方法が現在もっとも有効な方法である。これは海水中に係留された測器より発信した音波のエコー時間を用いて海氷の厚さを測定するもので、データ取得・データ処理ともに簡単ではないので、国際的にもまだ限られた研究者にしか使われていない。

 

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