2.  オホーツク海のベールを剥ぐ −その循環は?−

 

経済水域のほとんどがロシア領海で占められるオホーツク海の研究は、ソ連邦の崩壊するまで(少なくともロシア以外の国によっては)わずかな観測しか行われなかった。加えて、オホーツク海は、冬季海氷に覆われ観測が難しいこともあって、他の縁海である日本海や東シナ海・ベーリング海に比べ、長くベールに包まれた海域であったと言ってよい。

例えば、オホーツク海の循環に関してもポンチ絵的な記述以上のものはなく、中学や高校の教科書もそのポンチ絵を頼りに海流図を載せている。

1999年の表層ドリフター(衛星経由で刻々と位置を知らせるブイ)観測等によってオホーツク海の循環像が徐々に明らかにされつつある。それらによると、オホーツク海中北部では反時計回り循環が卓越し、東サハリン沖に強い南下流(東サハリン海流)が存在することが明確になった。

一方、南部の千島海盆では、時計回りのメソスケール渦が卓越し、海盆全体としても弱い時計回りの循環があることが示される。中北部の反時計回り循環及び東サハリン海流は主に風成循環とその西岸強化流と考えられつつあるが、千島海盆の時計回り循環の力学についてはこれからの課題である。

また多くのドリフターが(半年以内に)ブッソル海峡から太平洋へ流出した。これはオホーツク海の表層水の滞留時間が比較的短く、太平洋への主な流出口がブッソル海峡であることを示唆している。

 

 

 

 

 

 

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