[大島教授のページへ]
[低温研 海洋・海氷動態のページへ]

大島慶一郎教授が文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞



大島慶一郎教授が文部科学省の平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞しました。 2016年4月20日、文部科学省にて表彰式が行われ、表彰状と楯が授与されました。

業績名
海氷域における中深層水形成と海洋循環に関する研究

業績の概要
    海洋の大規模な中深層循環は海氷生成の際に生成される重い水が沈み込みそれが徐々に湧き上がることで形成される。全海洋の深層に広がる底層水が作られる南極海のような極海では、観測の困難さによって、中深層水の形成や循環は十分わかってはいなかった。
    本研究では、海氷生産量を見積もる手法を開発し、南極海で海氷生産量が異常に大きい海域を見つけ出し、そこが未知(第4)の南極底層水生成域であることを直接観測から明らかにした。また、北半球最大の海氷生産域がオホーツク海北西部にあり、ここを起点として北太平洋の中層循環が形成されること、それが温暖化で弱化していることを明らかにした。加えて、オホーツク海の循環、特にその西岸を南下する東樺太海流の実態を明らかにした。
    本研究により、海氷生成と中深層水の形成・変動に強い関係があることが明確になり、オホーツク海では物質循環や生物生産にまで及ぶ学際研究を創出した。
    本成果は、長期の気候変動を決める海洋中深層循環に対する理解に深め、将来の気候変動予測に寄与することが期待される。


主要論文
「Antarctic Bottom Water production by intense sea-ice formation in the Cape Darnley Polynya(ケープダンレーポリニヤでの高海氷生産による南極底層水の生成)」Nature Geoscience誌、6巻3号、p235〜240、2013年3月発表

「Near-surface circulation and tidal currents of the Okhotsk Sea observed with satellite-tracked drifters(衛星ドリフターにより観測された、オホーツク海の表層循環と潮流)」Journal of Geophysical Research誌、107巻、3195、2002年11月発表


推薦機関:日本海洋学会

-----------------------------------------------------------------------------------------------------
KO.jpg
文部科学省での表彰式にて(2016年4月20日)



KO-TT
同時に若手科学者賞を受賞した本研究室出身の田村岳史国立極地研究所助教(左手)と2ショット
-----------------------------------------------------------------------------------------------------

問い合わせ先: 大島慶一郎 <ohshima_at_lowtem.hokudai.ac.jp> (_at_ はアットマーク)