クロロフィル代謝中間体の解析


最近、クロロフィル代謝の中間体はいろいろな視点で注目を浴びている。 これらの研究にクロロフィル代謝の中間体の同定・定量は欠かすことができない。
このページでは生物適応研究室で用いている、クロロフィル代謝の中間体の定量方法を紹介する。
  1. もとにした論文
  2. 標準物質の入手先
  3. 上記の標準物質を用いて、検量線を作成し、定量をする場合には、それぞれの物質の分子吸光係数が必要になる。この係数については、Rebeiz (2000)を参照されたい。また、7-hydroxymethyl chlorophyll aについては、Ito et al. (1996)に記載されている。
  4. カラム
    Waters, Symmetry C8, 150 x 4.6 mm, 3.5 um particle size
  5. SunFire C8も使えるようだ。Symmetryに比べて、retention timeは多少変わるが、順番は変わらない。
  6. ガードカラム
  7. システム
  8. 上記のシステムとは別に島津の機器を使って同様のシステムを組んでいる。
    島津のシステムには、Diode Array Detectorの他に蛍光検出器RF550をつなげて いる。蛍光検出器はMgProto IXを検出するために、励起光 417 nm, 蛍光 600 nmにあわせてある。Proto IXの場合は励起光 400 nm 蛍光 600 nmでよいと思うが、 もっと他に良い条件があるかもしれない。
    追記:Proto IXについては、励起光 400 nm 蛍光 634 nmにすると10倍以上感度が あがるようだ。(2007.11.1)

    日立の純正のバイアルは使い捨てにするには高価なので、(株)トムシック(Tel: 0426-56-5679)を通じて購入した輸入品のポリプロピレンのバイアルを用いている。ただし、このバイアルからは、アセトンで蛍光物質が溶出し、蛍光検出器でみると、MgProtoIXとMgProtoIX-MEのあとに大きなピークとして検出される。このため、蛍光検出器を用いる場合は、ガラス型のインサート管を用いる必要がある。

  9. 溶媒
  10. ピリジンは酢酸でpHを5.0にあわせる。われわれの研究室では、最初に必要な酢酸の量を測っておき、2回目の溶媒調整からはpHメーターを使わずに一定量の酢酸をピリジン水溶液に足すようにしている。酢酸の量は色素の保持時間に大きな影響を与える。

    追記:世界的にacetonitrileが不足してきたため、MeOHを用いた分析を試みた。結果


  11. タイムプログラム
  12. 流速 1.2 min/ml
    min% (B Sol)
    00
    1245
    1798
    22.598
    00

    上記の条件は、上にあげた文献の条件を、早くrunが終了するように一部 改変したものである。オートサンプラーは28 min間隔でインジェクションしている。 もとのZapata et al., 2000の文献では、流速 1.0 ml/minで
    0 min, 0%
    22 min, 40%
    28 min, 95%
    38 min, 95%
    40 min, 0%

  13. 主な中間体の溶出時間
  14. Pigment Retention time (min) Absorption maxima (nm)
    Chlorophyllide a 10.5 435, 665
    Mg-protoporphyrin IX 10.5 415, 595
    Divinyl protochlorophyllide a 11.3 440, 627
    Monovinyl protochlorophyllide a 11.9 434, 628
    Mg-protoporphyrin IX monomethyl ester 13.4 416, 550, 591
    Protoporphyrin IX 15.6 400, 503, 540, 574, 627
    注意:この表は流速1.0 ml/minをもとにしている。上記の通り、流速1.2 ml/minにした場合、全体的に溶出は早くなる。
  15. その他
  16. 注意点:
  17. 参考文献

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