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群落乱流の数値シミュレーション

下の動画は、Large-Eddy Simulation(LES)と呼ばれる数値流体力学の手法を用いて、水平一様な植物群落上に発達する乱流をスーパーコンピュータによって再現したものです。大規模な下降流(上図の青い領域)の前面に、マイクロフロントと呼ばれる構造(下図で濃度コンターが密に集中している線状の部分)が見られます。群落乱流に特徴的なパターンです。このような組織的な乱流構造(coherent eddy)が、植物群落内へCO2を運び込んだり、熱や水蒸気を群落内部から上空へ運び出すのに重要な役割を果たしています。そのため、組織構造の形成メカニズムを解明する研究を進めています。

LES of canopy turbulence

図の縦軸・横軸はそれぞれ群落の高さで規格化した高度と水平距離です。上図は風速の鉛直成分を、下図はパッシブスカラー(CO2など)の濃度をそれぞれ示しています。(動画をもう一度見る:ブラウザによっては再生されない場合があります。その場合は、上の画像上で右クリックして画像を保存し、ご自分のPCにインストールされているプレーヤで再生して下さい。)

関連論文

  • Watanabe, T., 2009: LES study on the structure of coherent eddies inducing predominant perturbations in velocities in the roughness sublayer over plant canopies. Journal of the Meteorological Society of Japan, 87, 39-56.
  • 渡辺 力, 2008: 植物群落内外の流れのLES. 気象研究ノート, 219, 37-54.
  • Watanabe, T., 2004: Large-eddy simulation of coherent turbulence structures associated with scalar ramps over plant canopies. Boundary-Layer Meteorology, 112, 307-341.
  • 渡辺 力, 2004: 森林による蒸発散やCO2吸収に寄与する組織乱流の構造. 水利科学, 279, 1-26.
  • 渡辺 力・神田 学, 2002: LESによる熱収支インバランス問題に対する検討.(第2報)水平一様な植生キャノピー層を含む中立接地境界層における検討. 水文・水資源学会誌, 15, 253-263.