研究内容 当研究グループでは、湖沼や森林土壌などの自然環境中の微生物を主要な研究対象とし、複数の手法を組み合わせての解析を進めています。
  1. 水界の硫黄循環システムと微生物群集の共進化

    当研究分野は水界の硫黄循環システムと微生物群集の共進化を分子生態学的に解明することを目指しています。硫黄代謝にかかわる機能遺伝子の起源を探るのみならず、硫黄循環システムとそれを担う微生物の相互作用が地球の酸化−還元、温度、光条件等の変化でいかに変遷して来たかを明らかにしたことが、本研究の特徴です。


  2. 雪氷中の微生物群集に関する研究

    当研究グループでは、積雪内部や永久凍土、南極氷床コア内部の微生物群集について、分子生態学的な解析を中心とした研究を行っています。


  3. 環境中の変形菌類を対象とした分子生態学的解析

    変形菌研究への新たな手法の導入により、培養と形態による同定を基盤とした従来の研究を補完し、環境中における変形菌類の生態をより詳細に解明することを目指しています。


  4. 原油汚染土壌の微生物群集構造解析と炭化水素分解菌の探索

    北海道各地の油田跡などの原油にさらされた環境における微生物群集構造の解析を進めています。これと併せて、原油に含まれる難分解性の炭化水素を分解する能力を持つ微生物の集積培養を行い、分離を目指しています。


  5. メタン生成・消費に関わる微生物群とメタン動態

    メタンは二酸化炭素の約25倍の温室効果を持つ強力な温室効果ガスであり、その生成・消費には微生物活性が深くかかわっています。


  6. 淡水湖沼に生息する化学合成硫黄酸化細菌の生態

    様々な実験から得られた結果を総合して、淡水湖沼環境に生息する硫黄酸化細菌の生態解明を目指しています。


  7. 環境中に存在する未培養新規細菌の分離・培養と機能解析

    当研究グループでは、湖沼や湿地、温泉など様々な環境サンプルをもとに集積培養を行い、これまでに多くの新規細菌の分離・培養を行っています。