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博士課程の指導方針

有機化合物の安定同位体比を主要な研究手段に,新しい研究分野を立ち上げるような研究に取り組みます。国際的なコミュニティの中で行われる,高い質・水準の研究活動に接してもらい,近い将来,自立し,かつ,コミュニティを牽引するような研究を行うために必要となる研究遂行能力(下記,身につけて貰いたい能力,を参照)の修得を目標に,その初期過程の指導を行います。
具体的には,学生それぞれの目的に合わせた「ロードマップ」を作り,そのロードマップにできるだけ沿うような形で指導をおこないます(参考:ロードマップ作り)。
「問いを立てる〜論文を発表する」までを1つのパッケージとして指導します。
有機化合物の安定同位体比を用いた研究を,将来にわたって継続的に展開できるような人材の育成を行います。
 

実感して欲しいこと

  • 自分(達)の仮説とその証明を発表して,世界中の研究者から批評を貰うこと
  • 国際的なコミュニティの中で仲間を見つけ,助け合いながら,研究成果(論文)を積み重ね,より高度な謎・課題・paradoxの解明にトライすること
  • 関連分野の研究の発展に,自分(達)の研究が,しっかり貢献していること
 ほか

身につけて貰いたい能力

全般:

  • 自ら研究課題を設定し,研究(仮説の提案,実験の計画・実施,得られた結果の考察,学会でのプレゼン,論文の執筆)を行う力
  • 論理的,かつ,柔軟な思考力
  • 国際的なコミュニティのなかでのコミュニケーション・科学的議論を行う力
  ほか

知識と技術:

  • 安定同位体比の変動/非変動のプロセスの理解
  • 安定同位体比を用いて行われた国内外の研究(内容と貢献度)の理解
  • 測定装置の使用・運用(分析とメンテナンス),および,研究課題に対して,装置・手法・方法論を開発・改良する力 
 ほか

博士号の取得への基準

  • 国際誌への論文3報+国際学会での口頭発表2回(もしくは,国際誌への論文2報+国際学会での口頭発表3回)
    ※ただしこの基準は,博士課程で行う研究の内容とその成果(発表・論文)の「質」により変化しますので,一義的に成果の「量」は求めません。
  • 博士論文の受理
  • 博士論文審査会での受理

 

参考:博士研究テーマの設定

  博士課程(標準:3年間)をいくつかの期間に区切り,各々にテーマを設定し,各テーマが完結できるような研究計画を作るように指導します。「完結」とは,小さくても,(サイエンスの発展に貢献する)新しい結果(解釈・知見)を出し,論文として出版することです。研究の全体像として,下図のように,「大小の研究を多角的に用いて,結果として長期間の研究を必要とする高度な研究課題の解決を目指す」ことを念頭に,博士課程での研究が,その基礎になるように設定します(下記イメージ)。


各矢印が投稿論文1つ1つを示し,矢印の長さが論文のサイズを示す。博士課程,および学位取得後に執筆する10報の投稿論文を用いて,大きな研究課題の解決に挑戦する。

博士課程では,その最初の2-3報を執筆する。赤色の矢印は,博士論文を示す。博士論文は,投稿論文のコピペを綴ったものではなく,大きな研究課題の解決の「基盤」となるように,研究の全体像を強く意識して執筆する。
 
 

博士研究員(ポスドク)の受け入れ

当研究室で行っている研究に関連した「博士研究員自身のテーマ」 で,なおかつ当研究室で実施可能な研究を受け入れます。また,上記「博士課程の指導方針」に記載された内容を,博士研究員としての研究に従事しながら,修得したい方を受け入れます。