オーバーフロー水槽
「オーバーフロー+ろ過槽」という浄化法は,下図のように,魚やサンゴを飼育する「水槽(飼育槽)」 と,水を浄化する「ろ過槽」 で構成されます。
この浄化法は,
- ろ過槽で浄化された水をポンプで汲み上げて水槽に送る
- 水槽にはパイプが取り付けられており,溢れた(パイプの高さを超えた)水が,パイプを通ってろ過槽に落ちる
- ろ過槽では,物理ろ過,生物ろ過,化学ろ過により,水を浄化する
というサイクルで海水をキレイにします。普通の水槽に比べて,多量の海水,多量のろ過剤が入るので,水質が安定しやすく,多くの個体を飼育することができます。そのため,キレイな水での飼育が必須のサンゴや海水魚でも,比較的低頻度の水替えで飼育することができます。
一方で,「水槽の底面にゴミが溜まりやすい」,「選べる水槽の自由度が低い」という2つのデメリットがあります。溢れ出る水がろ過槽に落ちるので低層水の循環が弱く,低層水や底面に敷かれている砂には汚れが溜まります。また,お店で売られている「ふつうの水槽」には,様々な形・種類がありますが,「オーバーフロー用の水槽」は,残念ながら形も種類も限られており,また「ふつうの水槽」に比べるとかなり高価です。
これらのデメリットにより,これまでは研究目的の飼育に,「オーバーフロー+ろ過槽」はあまり利用されてきませんでした。しかしこの数年,底面に敷く砂の性能が非常に良くなったことで,「オーバーフロー+ろ過槽」を選択することが多くなりました。また「ふつうの水槽」に,穴を明け,パイプを通し,仕切りを設置するなどして,「オーバーフロー+ろ過槽」を自作することができれば,「オーバーフロー+ろ過槽」はさらに利用しやすい浄化法になります。
自作中の風景
自作した 「オーバーフロー+ろ過」 水槽の例
[Major Contents]
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People/メンバーの紹介
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安定同位体比を用いた研究の基礎知識
海水魚とサンゴの飼育: 概要 と 注意点
水槽の説明と自作 と ギャラリー
コラム:研究者を志す皆さんへ
研究室の写真: Instagram と 写真ギャラリー